(ネタバレ注意)11冊目・[映]アムリタ
- 2019.06.30
- 読書感想文
![(ネタバレ注意)11冊目・[映]アムリタ](https://i1.wp.com/dokukann.com/wp-content/uploads/2019/06/WIN_20190629_23_41_00_Pro.jpg?resize=890%2C500&ssl=1)
どうも、さわおです。
今回、紹介する作品は野崎まど先生の「[映]アムリタ」です。
井の頭芸術大学の役者コースを専攻している二見は、以前から気になっていた女性、同学年の画素から一緒に映画を撮らないかと声をかけられる。
二つ返事で了承した二見は画素から、これから撮る映画の絵コンテを渡される。その作成者は監督である”天才”最原最早であった。
家に帰った二見がその絵コンテに目をとおすと……
作品評価=優
いったい、どこに連れていかれるのだろうという気分にさせられる不思議な物語
記事のタイトルにネタバレ注意と書きながらも、正直、あまりネタバレする気にはなれません。是非ともこの作品を読んで、この作品はどこへ向かっていくのだろうという、不安とも好奇心とも言える体験をしてほしいからです。
なので今回の記事はここまで! では、また!
とはなりませんよ。核心部分以外の面白いところを紹介していきます!
興味深い、天才・最原 最早(さいはら もはや)のキャラクター像
天才キャラというと、色々な作品にでてきます。学年トップの成績だったり、スポーツ万能だったり、芸術に秀でてたり……
では、今作にでてくる最原はどうなのか? 正直、読了してもなんなのかよくわかりませんでした。ただ、これが本当の天才なのだろうなという説得力はかなり感じます。
二見のバイト先の店長は、天才とはどう凄いのか説明できないと二見に向かって語ります。
よく、「努力の天才」という言葉を聞いたりしますが、この作品を読んでいると、「それは違う、その人はただ努力しているだけだ」と断言できてしまいそうになります。
それだけ最原の天才としての描かれ方は強烈なものがありました。最原が周りの人間を振り回すのがこの作品の主軸ですのでこのキャラクターに魅力を感じるかどうかでこの作品への評価も変わってくることでしょう。そして、この天才と二見との掛け合いがこの作品のひとつの面白さになっています。
結局のところ、どんなジャンルの作品なの?
この作品はジャンルで括るというのに適さない作品であると思います。
青春もの、恋愛もの、学園もの、ミステリー、SF、ホラー……
恐らく読む人によってどのジャンルかはかなり変わってくるのではないでしょうか?
実に不思議な作品です。
「2」を読むために
なぜ私がこの本を購入したかというと、以前紹介した漫画、「バーナード嬢曰く。」で登場した小説だったからです。
主人公である町田さわ子が野崎先生の小説「2」を読もうとすると友人の神林がそれを止めます。
神林が言うには「2」を読む前に、その前に出た野崎先生の小説、5冊を読んでおかねばならないとのことでした。
さわ子はいやーな顔をするのですが、私もさすがにいやーな顔になりましたね。
しかし、今作を読んでみると、複雑な作品ながら非常に読みやすいと思ったのでしっかり残り4作品も読もうと決意しました。
先ずは読むべし! そんな作品
もうなにも語ることなしです。ぜひ読んでみてください。
では、また!
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