12冊目・人間臨終図巻1
- 2019.07.03
- 読書感想文

どうも、さわおです。
今回、紹介するのは、山田風太郎先生の「人間臨終図巻1」です。
あの芸能人は、あの武将は、あの英雄は、あの犯罪者は、いつ、どのようにして死んだのか?
死んだ年齢順に並べられた老若男女の死に様。すこし、覗いてみてはいかがか?
作品評価=優
死を真正面から淡々と見つめる良書
よくある話ですが、人は子供のころ、物心ついた時に「死」というものに過度に恐怖することがあります。実際、私もそうでした。死んだらどうなるのか? 自分が死ぬときは辛いのか? などなど色々考えてしまいましたね。
しかし、大人になるとそういう気持ちは薄くなっていきます。「考えても無駄なことだ」「まだ、先のことなのだから」と「死」から目を背けてしまうのです。明日、いや1分後、1秒後自分は死ぬかもしれないのに。
この著書には「人はいつ死ぬかわからないから頑張って生きよう」とか「大きな事件を起こした人間にはこのような天罰が下った」などという説法めいた記述はありません。ただただ、淡々と「こんな人間がこういう経緯をたどり、そしてこの歳で死んだ」と記されているだけです。(たまに、著者の感想というか批評というものが記されているけど、それも面白いです)
死ぬまで頑張ろうとか因果応報だとか考えるのはあくまで読者であるということでしょう。
結局、「死」とは死んでみないとわからないのか?
「死」は私たちのすぐ隣にいて、何かの偶然でひょっこりと顔を出してくるもののようです。
身も蓋もないですが、私がこの本を読んで感じたことはこれでした。ここら辺の感じ方は本当に人それぞれだと思います。
ちょっと話がそれますが、今度、「死とは何かイェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版」という本がでます。非常に気になっている本です。
この「人間臨終図巻」を読んだ後に読むと面白そうですね。
このように死について興味のある方、有名人の最期に興味がある方、あとは世間一般でいう有名な人について知りたい方におすすめです。最近、多様化が進んでみんなが知っている人間というのが少なくなってきていると思います。知らない人を知ることで多くのことに興味を抱けるでしょう。
では、また!
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