(ネタバレ注意)13冊目・死印
- 2019.07.03
- 読書感想文

どうも、さわおです。
今回紹介する本は、エクスペリエンス原作・雨宮ひとみ先生著の「死印」です。
「呪いの痣」の噂、知ってる?
巷で噂の怪談話、その痣をつけられたものは死ぬ。
男は館の前に立っていた、自分の素性や名前を忘れて。
館の中に入るとそこには、女性の死体、そして、言葉をしゃべる人形。男の腕に刻まれた「痣」が疼く。
自身のことをメリイという人形は、その男に宣告する。
「あなたは本日の夜明けに死を迎えます」
作品評価=良
ホラーADVゲームが原作
こちらの書籍はゲームソフトウェアメーカーであるエクスペリエンスが2017年にPSVitaで発売したアドベンチャーゲームを原作にしています。
そのあと、PS4版、Nintendo Switch版、Xbox One版が発売されています。現在の価格設定で一番お得なのはPS4版ですね。
生き残るために「怪異」に挑むストーリー
主人公、屋敷一男は腕に「シルシ」とよばれる痣を刻まれており、ほっておくと死を迎えてしまう運命です。
「九条館」と呼ばれる屋敷の中で出会った喋る人形、メリイが言うには、その痣は「怪異」によってつけられたものであるとのことです。
一男は九条館に訪れるシルシを持った人々、「印人」を助けることで己の腕のシルシを消すことにします。
シルシを消すためには怪異を消滅させなければなりません。一男は老若男女、様々な「印人」と一緒に廃校、樹海などの心霊スポットを探索することになるのです。
ゲームをノベライズする必要性とは?
あまり本を読まない私ですが、ゲームのノベライズは結構、手を出したりしています。昔だったら「ドラゴンクエスト」のノベルだったり、最近だと、「メタルギアソリッド」のノベルを読んだりしています。
ゲームのノベライズの存在意義は大きく分けて3つあると思います。(他にもあるかも)
1つ目は、ノベライズすることで、元のゲームでは語りきれなかった登場人物の感情だったり、舞台設定だったりを書くことができ、元のゲーム自体にも深みが増す、という点です。「メタルギアソリッド」はこれに当てはまると思います。
2つ目はノベライズで舞台設定やキャラクターは抑えつつ、キャラクター同士を自由に会話させたり、オリジナリティをだすことで元のゲームには無い要素を付け加え「もしかしたらゲーム内でこういうこともあったのかもしれない」と、読者にゲーム内のキャラクターの幅を広げさせるというものです。
昔読んだ「ドラゴンクエストⅦ」の小説がこれでした。元のゲームでキャラクター同士の会話がほとんど無かったり、そもそも主人公が全く喋らない作品のノベライズなんかに多いのではないでしょうか。
3つ目は、原作ゲームをプレイしたことない方に、原作を知ってもらうため、原作をやらなくても楽しんでもらうために作られたノベライズです。
「死印」は多少、オリジナル要素はありますが基本的にゲームをほぼなぞった形でのノベライズですので、3つ目にあてはまると思います。
ゲームと小説どちらからが良いか?
このゲーム、小説は、「怪異」の謎を解いていくのが主体となっています。ですので、片方の作品を楽しんでしまうと、もう片方の完全なネタバレとなってしまうので、どちらを先に選ぶかではなく、どちらか一方を楽しむという気持ちで選んだほうがよいと思います。
選ぶ基準なのですが、まずはゲームに興味があるかでしょう。興味がなければこちらのノベライズ本一択になります。
次に、ホラー・グロテスクなものに耐性があるかで決まると思います。原作ゲームではCERODといえど、なかなか血みどろなCGがでてきます。小説の中でもそのような内容に触れていますが、段違いでゲームの方が過激です。ホラー要素もゲームの方が大きいと思われます。
ホラー・グロテスクな要素が苦手な方はノベライズで、私のように超大好きという方はゲーム版をおすすめします。
2年前に楽しんだゲームを追体験
アドベンチャーゲームは一度クリアしてしまうと、結構、満足してしまうものです。「死印」は分岐が少なかったので他のアドベンチャーゲームより早く全ルートを見ることができました。
そのあと、エクスペリエンスのホラーゲーム第2弾である「NG」が発売し、それもまた楽しませてもらいました。
次にどんなアドベンチャーゲームをしようかと思っているときに、書店で見つけたこのノベライズ版「死印」。ゲーム版をプレイしてから2年経っていることもあり、ちょうどよく細かいところを忘れていて、最後まで楽しく読むことができました。
ホラーゲーム第3弾に期待ですね。では、また!
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