2冊目・火のないところに煙は
- 2018.09.27
- 読書感想文

2冊目の読書感想は芦沢央先生作の「火のないところに煙は」です。
あらすじは
小説家である著者は雑誌から短編小説の依頼を受ける。特集のテーマは「怪談」。ホラー小説を書いたことが無かった著者だったが、ふと、過去のある体験を思い出す。その体験を綴った短編、それがすべての始まりだった…
と、このような話です。
私は「ホラー」が好きです。小説でも映画でも「ホラー」と名の付くものであれば、すぐに興味を示してしまいます。今作もかなり怖いというネットの評判をみて読んでみることにしました。
今回、紹介する「火のないところに煙は」は、実録怪談ものです。最近の小説の中では小野不由美先生作の「残穢」に近いものを感じました。
この小説の特徴としましては、オムニバス形式になっているところですね。全部で六話に分かれています。一話一話が長すぎず短すぎずといった感じで、私のような読書初心者でも楽に読み進められる作品でした。
さて、この作品、本当に怖かったのか。
結論としては、とても怖いです。
この本の作者、芦沢央先生は、人の心を揺さぶる方法をよく存じている方なのでしょう。この本を読んでいる間、私の心は揺さぶられっぱなしでした。心に動きがないと恐怖は感じられませんからね。
何が、心を揺さぶるのか。それは二つあります。一つはこの本に散りばめられた意外性です。俗にいう、どんでん返しというものです。
本の紹介をするのに「どんでん返しがあるよ!」と宣言してしまうのはあまりに酷いことのように思われてしまうかもしれませんが、それがこの本の一番の売りであるのは確かだと思います。写真では外されていますが、この本の帯にもそのたぐいの煽り文句が書かれていました。
もう一つは、この話…本当の話なのでは…と思わせる技術です。
話が六つに分かれていると書きましたが、話ごとの題名の下に、何年の何月に掲載と掲載時期が書かれているんです。それだけで、この本のリアリティが非常に増します。
それに、本文の中で出てくるツイッターに関する表記。これもかなりリアリティを増す効果がありました。
まあ、本当の話かもしれないですけどね…
はい、こんな感じで、できるだけ内容に触れずにこの作品の紹介をしてきたわけですが、やはり、この作品はあまり情報をいれずに読んでほしい作品です。ホラーは一期一会、恐怖感抜きでもこの作品は面白いと思いますが、やはり最初はひとり静かな場所で恐怖感に浸りながら読むのが最高だと思います。
「火のないところに煙は」ぜひぜひ読んでみてください!
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