「闇の自己啓発」-価値観を揺さぶられすぎて脳震盪を起こしそうです……。四名による濃密すぎる読書会

「闇の自己啓発」-価値観を揺さぶられすぎて脳震盪を起こしそうです……。四名による濃密すぎる読書会

文章やイラストなどを配信できるサイト「note」にて連載中の「闇の自己啓発会」の内容を書籍化。ダークウェブ、中国、AI……、闇の自己啓発会のメンバー四人による、濃密、あまりにも濃密な読書会を記した作品。

作品評価=★★(最大★三つ)

「闇の自己啓発」とは?

今回紹介するのは江永泉先生、木澤佐登志先生、ひでシス先生、役所暁先生の作品「闇の自己啓発」です。

自己啓発というものに全く興味が無い、というか、あまり良い印象を持っていない私ですが、何故この本を手に取ったかというと、早川書房さんのツイッターに載っていたからです。色々な出版社のツイッターを見ていますが、やはり早川書房さんのツイッターは購買意欲をかきたてられますね。帯には、<人間>を超越せよと書かれ、その下には無秩序に多くのワードが羅列されています。

「危ない本なんじゃないか?」「いや、そもそも危ない本って何だ?」

と、思いつつ購入した次第です。

内容は上記しました通り、読書会の内容を記した本になっています。一つの本を主題にして、それについてメンバー四人が語り合う方式になっています。

「note」という投稿サイトでも閲覧することができますが、書籍化にあたり、江永先生の書き下ろし論考、加筆修正、そして大量の注釈が追加されています。私の勉強不足のせいがほとんどですが、正直、この本は注釈がないと何が何なのかわからない部分が多々あるため、こちらの書籍版をお勧めします。

ちなみに、気になってnote版のほうも覗いてみたのですが、写真以外にも動画が貼ってあったりして、この書籍版と併用するのもいいかもしれないと思いました(ケーキの写真なんかも載っていて読書会らしさを感じます)。



濃すぎる四人の会話に翻弄されろ!

読む前にブックカバーに書かれているメンバーの年齢を見てみると私と同世代だということが分かり、ちょっと嬉しさを覚えました。今まで読んできた会話形式の本は大体、年上の方たちが語り合うものがほとんどだったからです。

「同世代の意見を知る機会なんてなかなかないし、楽しみだ」

と思い、読書を開始したのですが、読み始めて少しして、

「これは……わけがわからないよ」

という状態に陥りました。

内容が非常に濃いです。濃すぎます。第一部「闇の社会」では「ダークウェブ」についての話が展開されていくのですが、凄まじい情報量です。「この人たち、電脳化して話してないよね?」と疑うくらいです。これは注釈がないと、いや、注釈があってもついていけません。

全体的に思想・哲学の話題が多くを占めている今作なので、そちらに疎い(私を含めて)方たちは結構読むのがきついかもしれません。

では、読まなくてもいいのか? いや、そんなことはありません。むしろ、この本に書かれていることを理解できない方にこそこの本は価値があると思います。

この本から始まる、Amazon欲しいものリストの崩壊

この本を読んでいると自ずと「へぇーこんな本があるんだ」だったり、「この映画にはこんな意味もふくまれているのね」という発見ができます。私はこの本を読み終わった後、Amazonでこの本に出てきた多数の作品を「欲しいものリスト」に入れていったのですが、途中で辞めました。多すぎます。

このように、この本は今まで興味のなかった分野への進出に大きく貢献できる本だと思います。

まえがきに「思考の種」という言葉が出てきます。まさにこの本は「思考の種」そのものです。ここから多くの何かにつなげていくこともまた面白いと思いますね。

理解できなくてもいい。頭を酷使してみるのも楽しいものだ

私は胸を張って言えます。この本の彼らが言っていることの三分の一も理解していない、と。

ただ、明らかなのは読む前と読んだあとでは恐らく読者に何かしらの変化があるということです。今まで知らなかった世界を覗いてみて私はもっと知りたいと思えました。

多分、手に取ることはなかったであろう本に巡り合わせてもらって早川書房さんのツイッターには感謝ですね。

それでは、また!